インプラント治療の予備知識

   インプラントとは、人工の歯の根を顎の骨に埋め込み、埋め込んだ歯の根に人工の歯を作る治療です。入れ歯ですが、自分の歯のようになるため、人気の治療法です。

インプラントとは、人工の歯の根を顎の骨に埋め込むため虫歯治療のようには簡単ではありません。口腔外科手術が必要になります。

インプラントを埋め込んでからきちんと結合するまで約6〜10週間かかります。消毒や予後の確認などで通院回数もかかりますので、手術費用も期間もある程度覚悟が必要です。

奥歯が上下左右数本ずつ銀歯なのですが、その歯が悪くなった場合には左右の歯で支えるような入れ歯は難しく思います。インプラントをする心の準備とお金の準備が必要だと思っています。

インプラントのメリットとデメリットとは?

インプラント治療入れ歯を使用することに比べて多くの長所を持つインプラント治療ですが、人工物ですので良い点ばかりではありません。 治療を進めていく上でデメリットも感じると思います。 メリットとデメリットをよく理解し、従来の入れ歯やブリッジなどの治療方法とも比較し、自分に最も合った治療方法を選択することが重要です。

【メリット】
・入れ歯にする場合、入れ歯の針金をかけられた両脇の歯は、大きな負担を負うことになります。しかしインプラントの場合には、人工歯根自体が顎の骨にしっかりと固定されるので、周りの歯には負担がかかりません。
・ブリッジにする場合、たとえ健康な歯であってもまわりの歯を削らなければなりません。インプラントならば、抜けた歯の部分のみに治療を行います。
・針金などで入れ歯を固定する必要がないため自然な外観となります。
・生まれ持っての歯に近い感覚で噛むことが出来きます。
・口の中を清潔に保ちメンテナンスを怠らなければ、半永久的に利用可能です。

【デメリット】
・口腔外科手術が必要です。所要時間は30分程度。
・保険適用外の施術になるため治療費が全額自己負担となります。
・完治までの期間がある程度必要で、歯根にあたるインプラント部分が定着するのに6〜10週間必要です。
・口の中を清潔に保たないと寿命が短くなるため、定期健診が必要となります。

しかし、デメリットを理解し解決することが可能であれば、インプラント治療は日常生活に画期的な変化を与える治療法です。

インプラントの費用は?

インプラントの治療費は保険適用外なので定額ではありません。 歯科医院によって差があり1本14万〜53万とまちまちですが、平均値である1本30万〜40万で治療をして頂ける病院も多くあります。

治療費のちわけは以下の通りとなり、定期健診は一生かかります。
@治療前に必要な検査費用
A手術費用
B手術後の経過観察費用
Cインプラント上部構造(人工歯)費用
D定期健診の費用

但し、インプラント治療は健康保険の対象外ですが、医療費控除の対象になっています。医療費控除の申請を行なうことで還付金がもらえます。

インプラントは安全か?

インプラント治療インプラント治療は最先端の歯科治療になります。
しかし、以外と歴史は古く現在主流の治療方法が確立されてから既に40年以上が経過しいますので、安全性は確認されています。 一方で課題もあります。治療そのものは安全なのですが、その治療を行う歯科医師の技術がまちまちのため100%安全と言い切ることが出来ないのです。 調べたところ現在では生命にかかわるような危険性はほとんどありませんが、術後の腫れや痛み、知覚麻痺などの問題が多発しているのも事実です。
治療する歯科医師やその術式によってかなりの差があるようです。

治療を受ける前に、歯科医師から治療費の内訳・治療のリスク・保障やメンテナンスなどの説明を受け、医師との信頼関係が築けるかが重要です。 実績のある先生で納得の行く説明を受けて手術に臨みたいものです。

インプラント治療後の保証と保証期間

インプラントの保障期間としては5年程度が多いようです。しかし、医療機関によっては10年、20年などの長期保証をつけているところもありますので、治療に対する自信のあらわれと受け止められるでしょうか。
人体に関わることですので、保証期間は長いに越したことはありません。

保障内容の詳細も重要になります。 インプラント治療全てを保証する場合とインプラントと上部構造(人工歯部)とを別々に保証する設定がされている場合があるようです。 構造の保障も重要なのですが、デメリットで上げた項目を如何に保障してもらえるかの確認が必要となるようです。

近い将来、インプラントになる日がくると予見していますが、価格がもっと安くなることと歯科医師の技術が向上することを願っています。

話題のピックアップ

【インプラント手術死亡 初公判で無罪主張】

歯のインプラント手術で患者を死亡させたとして業務上過失致死の罪に問われている歯科医師の初公判が3日、東京地裁で開かれ、歯科医師側は「当時の医療水準では事故は予測できなかった」と無罪を主張した。

この事件は、東京・中央区の「飯野歯科」の歯科医師・飯野久之被告が07年、当時70歳の女性の歯のインプラント手術をした際、ドリルを顎の骨から突出させて動脈を傷つけ、女性を死亡させたとして、業務上過失致死の罪に問われているもの。

3日の初公判で、飯野被告は起訴内容を否認し、無罪を主張した。飯野被告の弁護側は「飯野被告は日本のインプラント手術のパイオニア で、多くの手術経験があった」とした上で、「事故は当時の医療水準では予測できなかった」と主張した。

Yahoo!ニュースより抜粋